こんにちは、今日もいいお天気ですね。
先日、パーティーで久しぶりに出会った友人たちとカウンターで、「ことばにしないとわからない」という話をしていました。何を言葉にするのかというと、『好きという気持ち』です。男が女に「愛してるよ」と言葉を伝えることが、大事だという話(笑)まぁ、お酒も入ってましたけど、なぜかそういう話になりました。
私は想いを伝えることは大事だと言いました。言葉にしないと分からないと。でも、言葉にすると、その言葉の持つ力によって、実際はそうじゃなくてもそうなっていってしまう気もするんですよね。だから、真実は本当は言葉になっているそれではなく、心の中や頭の中にあるのかもしれないけれど。
人が言う言葉に、そうそれ!と思うことがあります。自分の気持ちを自分の言葉で伝えることって難しいですよね。でも人は、伝えなきゃいけないことがたくさん。「伝わるだろう」じゃ、伝わらなかったりするし。でも、言葉だけでもダメで、態度や行動でも伝えることが大事なのだけれど。。。
まぁ、伝えようと努力することが大事なのかも。
そういえば、昨日友人の展覧会へ行ってきました。テーマは「父と娘」。そこで、そのいきさつなどを聞くことができたんですが、父は、娘が言った言葉を聞いて、「初めて知りました、こんなに思ってくれていたなんて。そんなこと思っていませんでした。」と言いました。言葉にする→伝わるというのをリアルに目の当たりにしました。
あ、実際には、父娘ほど年の離れた、もちろん他人のアーティストのコラボレーションだったんですけど。実際、作っている当人達は、自分の実際の父親や、娘について思いをめぐらせていたのかというと、そうでもないらしいのですが。でもまぁ、私はその言葉を聞いて、自分の父親のことを少しだけ考えました。まぁ、音が素直じゃない私ですが、やはり父や母など、近しい人には自分の思いをなかなか伝えることができないでいるなぁと。恥ずかしいというか、照れるというか。友人や赤の他人には、つい「すてきですね」とか、思ったことを口にするんですが。。。(あくまで思ってないことは言いませんよ・笑)これがなかなか。難しいものですよね。
初対面の人とコミュニケーションをとるとき。会話をしてコミュニケーションを図ろうとします。
情報収集という作業なのですが、私はなぜか、なんでもないことの方を聞きたくなります。どうでもいい話の中から紡ぎ出される、感覚という名の情報を収集するのが好きです。なんでしょうね、言葉にならないところを想像するのが好きというか。だから私の文章や言葉は、こういうどうでもいい内容になってしまうのだと思います。
なので、まぁ、ばれてると思いますが理論立てて話を進めていくことが苦手。ちゃんと理論立てて話せる人を尊敬します。こういう仕事をしていると、理論立てて説明したり話したり、プレゼンしたりしないといけない時がよくあります。短く要点をまとめて話す。限られた時間の中で、相手に解ってもらうことを要されるとき。そういうときには、あらかじめ自分の中で要点を紡ぎ出す作業をしていないといけません。前もって、自分のどうでもいい感覚をたくさん並べて、客観的に言葉にならない言葉を言葉にしていく作業。これがなかなか難しいけれど楽しい。
やっと近年、そういう作業ができるようになってきました。
展覧会をするときは展覧会のコンセプトをテキストにおこす作業をしますし、プロジェクトの時も、目的や、チームの立ち位置などをデザインしていく作業をします。昨日も、同じようにアートスペースを運営している人とこういう話をしていました。「ことばにすることのむずかしさ」を再確認。ことば、これが、難しい。。難しいけど、しなきゃいけないと、お互いプレッシャーを掛け合いました。もともと言葉にならない気持ちを表現している不器用なアーティストが多いですからね。そりゃもう、大変です。大変だけど楽しい時間に・・・という気持ちで、言葉にすることを試みる。いっぱい勉強させてもらっています。
そういえば、まえに話題になったアートディレクターの佐藤 可士和さんの整理術の本の中に、見えるものから整理していくといいと書いてありました。そして、見えないものは『見える化』する。そして、並べたり、いらないものを消したりしながら、大事な要素だけを抽出していく。納得です。視界に入るモノから整理して、情報、思考へと移ってゆくといいみたいですね。実際、脳みそが混乱しているときは部屋の片付けからするとなんだか気分もすっきり。いい感じです。
ひとに想いを伝えるとき。
できれば事前にそういう作業を行い、大事な要素を紡ぎ出しておいて、言葉を選んでうまく伝えられるといいですね。ここぞというときに、ちゃんとしゃべれる人間になりたいなぁ。
写真は、ここぞというときにちゃんと言えた、幸せな二人の背中です。
2008-04-27
ことばにすることのむずかしさ
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