2009-07-29

神様の話

先日、八幡の高見神社というところで、展覧会がありました。
私の元職場、某130で初個展を企画させてもらった、ロイック・ストラーニさんの展覧会です。彼の作品は、外国人らしい日本語がかわいいナレーションにより進んでいくアニメーションで、特に『食』がテーマになっているのですが、その地域地域の郷土料理や、リサーチした内容が盛り込まれていて、とてもユーモアのある映像になっています。
ロイックは昨年京都でレジデンス(滞在制作)をしていまして、そこで発表した神様をテーマにした作品の上映会でした。

高見神社の宮司さんから高見神社の話も聞くことができました。国とか官営とか起業とかまちとかが絡み合った複雑な歴史。これから作っていく神社の方向性。神社も、やはりそのときの宮司さんの思い次第でいくらでも開かれた神社となることができるんだなぁと感心しました。

イタリアの神様と日本の神様。神様の話を作品にするのはイタリアではタブーなんでしょう?という質問が出ていましたが、彼の作品を見終わったとき、昔々、宗教画を描いていたアーティストたちが、だんだんと人間の生活を描くようになったことを思い出しました。

たぶん、イタリアの神様も日本の神様も、そんなに違わなくて、好きな食べ物の話を夢中でしちゃったりという一面ももっているんじゃないかな。とかなんとか・・・そう言えば昔、石膏像のデッサンをするときにギリシャ神話を読んで、この人はこういう性格で、こんなことで死んじゃったんだよな、かわいそうに、と思いながら描いていると、ただ何も知らずに白い石膏の人物として描くより、難しさが緩和して楽しかったなぁとかを思い出しました。

みなさんも神話とかって興味を持ったことありますか?

ロイックらしい美味しい話と美味しいインスタレーションで、国や文化をひょいっと飛び越えちゃえる作品でした。もし機会がありましたらぜひ観てみてくださいね。

『神様の味』

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ロイック・ストラーニ(美術家、1977年ローマ生、福岡市 在住)が「神様」と「食べ物」をめぐって制作したユーモラスでファンタジックな映像作品《神様の味》(2008年)。食べ物という身近な切り口を通じて、 地域・歴史・宗教・異文化交流など様々なテーマが浮かび上がります。当日は《神様の味》に合わせて制作された立体作品も展示されます。立体作品は後日、高 見神社にてお祓いされ、灰となって自然に還ります。
会場の高見神社は八幡製鐵所にゆかりが深く、書籍『北九州の近代化遺産』でも紹介されています。こちらも見学の価値アリ。
イタリア帰国前のロイックにとって日本でラストとなる本企画、どうぞお見逃しなく!

日時:2009年7月26日(日)14〜16時
会場:高見神社 TEL.093-651-5108 http://www.takamijinjya.com/
(北九州市八幡東区高見1-1-1 西鉄バス停「三条」徒歩5分 無料駐車場有)
入場料:500円
協力:高見神社、谷口幹也(九州女子大学/藝術教育学)
企画・問合せ:花田伸一(キュレーター)hanadada@d1.dion.ne.jp(送信時には@を半角に替えてください)

<ものがたり>
ローマ軍を率いるジュリアス・シーザーは日本征服をたくらんでいる。
しかし、キリスト教化する以前のローマは、神様のいる場所を征服することを法律によって禁じていた。そのため神社を攻撃するには、神様を追い出さなければならない。
そこで、シーザーはおいしい料理で誘惑することによって、神様を神社の外へおびき出すことを考えついた。
果たしてシーザーは、日本を征服することができるのか・・・。
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